私は弁護士として数々の相続に関するトラブルを解決してきました。
相続事件は近しい人との争いであり、ときにお互いを傷つけ合い、修復できないような亀裂が生じてしまうことがあります。
また解決までに多くの時間を要することからも、トラブルに巻き込まれた相続人の方々の精神的、経済的苦痛は計り知れないものです。
そんな中、私は、「遺言があれば、この争いは一瞬にして解決するのに」と思ったことが何度もあります。またせっかく遺言を残してくださっていても、内容が不明確であったり、遺留分を無視した内容であったり、相続税対策がなされていなかったりと、トラブルになることは多々あります。
ですから、遺言を作れば紛争が予防できるのではなく、紛争を予防する内容の遺言をお作りいただく必要があるのです。
「うちの家族はみんな仲良しだから遺言なんて要らない」そんなお考えをお持ちの方もいらっしゃると思います。
ただ、遺言は、親族間の争いを防ぐためだけのものではありません。
実際に相続することになった場合、その方の預貯金を引き出そうとすると、金融機関からは、生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍謄本や、相続人全員の印鑑証明書などを要求されます。
もし遺言の中で遺言執行者(遺言の内容を具体的に実現する人です。相続開始後に相続財産を管理し、遺言に従って、銀行口座を解約したり、名義変更等の手続きを行います。)を指定されれば、このような煩雑な手続きはすべて遺言執行者が代行します。
またそもそも相続人の方々は、どこの銀行に口座があるのか、株式はあるのか、借入金はないかなど、資産状況を正確に把握されていないことの方が多いと思います。もしご存じない場合は、これらの調査にも時間や労力を要します。
ですから、遺言の中で、ご自身の資産状況を整理し、また遺言執行者を指定しておくことで、相続手続きを確実かつ短期間で完結させることができるのです。
私が遺言作成のお手伝いをさせていただく際は、お客さまご本人やご家族のライフプランを伺った上で、遺言の内容を一緒に考えて参ります。
例えば、お子さまが遠方にお住まいで、ご実家に戻られる予定がない場合や、ご自宅は売却したくないけれども介護つきの施設へ入居するためのまとまったお金が必要という場合、可愛いペットたちの行く末が心配な場合など、お客さまの様々なご事情を伺い、将来をご心配されることなく、ますます充実した日々を送られるよう、遺言の作成をサポートいたします。
また相続税対策が必要なお客さまには、提携の税理士とのチームプレーにより、適切な相続税対策を提案いたします。
私はお客さまに、遺言の中で、残される方々にメッセージを書かれることをお勧めしています。
なぜなら、残される方々の様々な事情を熟慮して作られた遺言でも、相続人の方々には、どうしてそのような内容にされたのか、推測でしかわからないからです。
特に複数のお子様の相続分が均等ではない場合、お子様方がすでに大人になっていても、愛情に差をつけられたようで寂しい気持ちになってしまうこともあるのです。それが原因で兄弟の仲がぎくしゃくしてしまったケースもあります。
ですから私は、お客さまが、残された方々のことを考えに考えた上で作られた遺言であることを、遺言の中で伝えて差し上げることをお勧めしているのです。
さらに遺言の中で、「人生の先輩として、これだけは皆に伝えておきたいこと」を書かれると、受け止めた方々の心に深く刻まれることと思います。
このような遺言の作成をなさることで、明日への活力が生まれるお客さまが大勢いらっしゃいます。そのような遺言の作成をお手伝いさせていただければ、この上ない喜びです。
遺言の内容が決まれば、作成の手続き自体はとても簡単です。
どうぞお気軽にご相談くださいませ。